国連デー SDGs学生フォトコンテスト2017 授賞式

2017年10月24日(火)、東京・上智大学四谷キャンパスにて、2回目となる『国連デー SDGs学生フォトコンテスト2017 授賞式』が行われました。

国連広報センターと上智大学が主催する持続可能な開発目標(SDGs)学生フォトコンテストが、昨年に引き続き今年も開催。 昨年を大幅に上回る73カ国から1002点の応募が寄せられ、この日は審査委員長を務めた写真家のレスリー・キーさん、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を積極的に推進する吉本興業株式会社からは木村祐一も審査員に加わり、各賞の受賞者を表彰しました。
2017.10.24
オープニングセッションとして、「SDGsを私たち学生の視点から考える」をテーマに、同大学の総合グローバル学部の植木安弘教授による「SDGsとは何か?」を始め、学生NGO団体「めぐこ」、南インドケララ州スタディー参加メンバーからプレゼンがあり、参席した国連各機関駐日代表からは「これからも続けてください」といったコメントがありました。

続いて、『国連デー SDGs学生フォトコンテスト2017 授賞式』がスタート。
入選者が発表されました。

『リサイクル品を回収するCOOCASSISの女性』で大賞(外務大臣賞)を受賞したルイスさんは、遠路はるばるブラジルから駆けつけ、中根一幸外務副大臣から賞状などを授与。
ルイスさんは、自分を支えてくれる両親らに感謝を述べつつ、受賞作品については「リサイクル可能な資源の収集に携わる女性の日常を描写し、ローカル社会にいかに貢献しているかを示しています」「私の作品のメッセージは、ますます規模が拡大している消費文化を振り返ること」と解説しました。
今後も「写真を通じて、持続可能な開発目標のメッセージを発信することにより、同問題に携わっていきたいと思います」と力強くコメントしました。

その他にも優秀賞を受賞したガーナのマシューさんを始め、若林絵里香さん、竹田有里さん、大久保楽さんが出席し、登壇。
それぞれ今後も写真を通して、SDGsに取り組んでいくことを宣言しました。
審査を終え、講評を求められたレスリー・キーさんは、自身の出発点がドキュメンタリーだと語った上で、「世の中の小さい一瞬だけの出来事を撮った写真を通して、SDGsの勉強をするきっかけとなり、考えさせられました」とコメント。
続く木村は、「レスリーは、会う度に日本語がヘタになっております(笑)」とレスリーさんをいじりつつ、応募作品について「こんなんアカンというのがないんです」「決して旅行のついでじゃないし、インスタ映えとか考えて撮った作品ではない。気を引き締めて審査しました」と振り返りました。

その後は、聞き手に国連広報センター所長の根本かおるさんを迎え、レスリーさん、木村とともに『SDGsパネル・セッション』と題したトークを披露。
根本さんが、「写真だと国境を越えられる」として、今回のコンテストを企画したことを明かすと、「ボーダレスなんですよね。人をつなげるきっかけになる」とレスリーさんも同調します。
また、木村は動画と比較し、「写真の中にこそストーリーがあります。想像力をかきたてられる」「カメラの性能が上がったから、写真を端から端まで見たい」と写真の利点を熱弁。

また貧困や食料問題などは、日本国内にも存在することから、話題は、自ら撮った写真を巧みな話術で紹介する木村のライフワーク『写術』へと移ります。
ここで木村は、今回の入選作にも「写真でひとこと」をしたくなるとして、マシューさんの作品『子ども時代の苦難』に対して、せつない表情の子どもに「今日、これ中止やなあ」とセリフを加えて会場を沸かせ、根本さんも「グッと(SDGsが)近く感じますよね」と関心しました。

最後に、今後の具体的なSDGsの取り組みについて訊かれると、レスリーさんは、今回の学生の作品を自身のイベントなどに取り入れ、親しい友人らにSDGsについて興味を持たせたいと語りました。
一方の木村は、「街ごとに被写体があふれている」として、10人くらいで写真を撮りながら歩くツアーを組みたいとの願望を口にします。さらには、病院の駐車場に掲げられた「違法駐車は注射します」という看板が、写真を撮るきっかけだと明かし、笑いを誘いました。


SDGs学生フォトコンテスト2017の入選者は以下の通りです。
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●大賞(外務大臣賞)
ルイス・グスターヴォ・カヴァリェイロ・シウヴァ
(ブラジル、Universidade Estadual Paulista)
“WOMAN OF COOCASSIS!”(リサイクル品を回収するCOOCASSISの女性)

●優秀賞
モハンマド・ラキブル・ハッサン(バングラデシュ、University of Oxford)
“FISHERMEN”(漁師)

ブルース・ティマナ(ペルー、César Vallejo University)
“DISTANT REALITIES” (遠い現実)

マシュー・パー・クウェシー・ウィリアムズ(ガーナ、Morgan International Community School)
“STRUGGLE OF CHILDHOOD”(子ども時代の苦難)

●TOGETHER賞(難民と移住者を受け入れることによって生まれる多様性を讃える社会づくりのためのTOGETHERキャンペーンの一環として)
大橋彩香(日本、明治大学)
“EDUCATION FOR REFUGEE CHILDREN”(教育という希望)

●コンセプト賞(抽象的、イメージ的にSDGsを表現した作品)
ソファア・オヴォレンツェヴァ(ロシア、MGIMO University)
“Don’t go breaking my heart”(私の心を傷つけないで)

●入賞
キアラシュ・エグバリ・セレシト(イラン、University of Tehran)
“THE LOOK”(まなざし)

タイ・グエン(ベトナム、An Giang University)
“HAVING WATER, HAVING SMILE AND HAVING LIVES”(生活に笑顔をもたらす水)

若林絵里香(日本、慶應義塾大学)
“A KITE IN THE SKY”(空に舞う凧)

竹田有里(日本、上智大学)
“Bathing at slum along railroad”(レールウェイスラムでの入浴)

プラビラ・タルクダール(インド、Indira Gandhi National Open University)
“CHASING DREAMS” (夢を追いかけて)

リス・ドーレア(ブラジル、University of São Paulo)
“BOND”(絆)

パーサ・バニック(バングラデシュ、University of Chittagong)
“EDUCATION FOR ALL”(全ての人に教育を)

ジョアォン・アタイーデ(ブラジル、UNIFATEA)
“QUILOMBOLA REFUGIADA”(キロンボの少女)

大久保楽(日本、慶應義塾大学)
“AFTER SCHOOL”(日常)