朝日地球会議2017で「よしもとSDGs大喜利」「スペシャルトーク SDGsで世界を変える」を実施

2017年10月2日(月)、東京・帝国ホテルにて開催された「朝日地球会議2017」にて、「よしもとSDGs大喜利」と「スペシャルトーク SDGsで世界を変える」が行われました。

10月1日~3日まで開催されている「朝日地球会議2017」の2日目であるこの日は、海外から招聘された学者等によるパネルディスカッションなどが行われていましたが、観客を学生等に入れ替え、よしもと芸人によるSDGs大喜利と、キャスターの国谷裕子氏を聞き手とし、国連副事務総長・アミーナ・モハメッド氏をゲストに迎えたスペシャルトークショーが行われました。
2017.10.02
まずは「よしもとSDGs大喜利」から。
地球環境と人々の暮らしを持続可能なものとするため、2015年に国連が採択した持続可能な17の開発目標(SDGs)をお題として、よしもと芸人が大喜利に初挑戦するという本企画には、桂きん枝司会のもと、桂三若、桂三四郎、桂三度、NON STYLE・石田明、尼神インター・誠子が出演し、楽しみながらSDGsを考えていきます。

よしもとにとって初となる「SDGs大喜利」について「これがうまくいきますと、大喜利が世界に行きます。ダメですと、ここで終わります」と笑いを誘い、場を和ませるきん枝。
それぞれがSDGsの17の目標のどれかに絡めた自己紹介をしたあとは、いよいよ「SDGs大喜利」へ。SDGsの17の目標からひとつを選び、SDGsであいうえお作文を作るというお題が出されます。

最初に手を挙げたのは三若。三若は16番目の目標である「平和で公正な社会」を選び、「S=スワローズも、D=ドラゴンズも、G=ジャイアンツも、s=世界平和のために阪神には負けてね」と読み上げます。この作文について「大阪が平和だと世界が平和なんで」と強引な理由を述べ、​会場を​笑わせ​ま​した。

続いて石田が17番目の目標「目標のために協力すること」を選び、「S=すみませんでしたと、D=どうしようもない相方のせいで、G=強引に、s=謝罪させられた」と読み上げると、場内に大きな笑いが起こります。するときん枝は「コンビというのは夫婦と一緒やからね」と、パートナーシップが大事だと諭し、「今度石田になんかあったら助けてもらえるから」と慰めます。
誠子は5番目の「ジェンダーの平等」を選び、「S=誠子は、D=誰がなんと言おうと、G=顔面は、s=先輩のほんこんじゃありません!」と読み上げたため、ここでも大きな笑いが。「本当にほんこんじゃないですし、娘でもありません!」と強調する誠子に、「娘レベルというよりクローンレベルです」と石田が追い打ちをかけていました。

三四郎は4番目の目標である「質の高い教育」を選び、「S=最高の教育を、D=誰もがタダで受けられる、G=学校を、s=知ってる人教えてください!」という、途中までは感心して聞いていた観客を脱力させる回答で会場の空気をさらに和ませます。

三度は11番目の「持続可能なまちと地域社会」を選び、「S=白金に家建てようかな、D=代官山でもええな、G=現実考えたら、s=埼玉県やね」と読み上げ笑いをさらったあと、最後に「17の目標全てに当てはまるものを英語で言います!」と自らのハードルを上げたあと、「S=スマイル、D=デラックススマイル、G=ゴージャススマイル、s=すごいスマイル」と、自らもすごいスマイルで読み上げ、さらに爆笑をさらいます。

きん枝の「お時間が来たようでございます、どうもありがとうございました!」の言葉で「よしもとSDGs大喜利」は終了。お客さんの笑いを聞いていた限りでは、世界進出も可能なのでは?と思わせる大喜利となりました。
続いては「スペシャルトーク SDGsで世界を変える」。
SDGsのとりまとめに奔走したアミーナ・モハメッドさんが「地球は人間なしに存在できても、人間は地球がなければ存続できない。先に消えるのは私たちなのです」と待ったなしの危機感を語ってから2年。新体制となった国連で副事務総長となったモハメッドさんと、SDGsの啓発に動く国谷さんが「17の目標を2030年までに達成する」ために、2030年を見据えた世界と日本、課題解決の道筋について語り合いました。

異常気象や貧困、格差、気候変動やグローバル化に伴って深刻化するさまざまな社会問題を解決しなければ地球に未来はないーー。こうした危機感を世界中の国々が共有しており、人類の未来を変えるためにできた目標であるSDGs。
前職がナイジェリア環境大臣でもあるアミーナさんは、母国のチャド湖が現在、気候変動により面積が以前の10%以下まで激減していることを例に挙げ、「世界中で悪循環が起こっている」と警鐘を鳴らします。また「気候変動で一番影響を受けているのは女性である」とし、その理由について「水を確保するために、水を求めて長い距離を歩かなくてはいけないのは女性です。また、女性はいつ拉致されるかという恐怖にも晒されています」と、女性の置かれている過酷な現実を赤裸々に語ります。

また、「SDGsはガイドや水先案内人と言えるかもしれません」と話すアミーナさん。「一つひとつの目標を見てみると、誰も反対する人はいないと思います」としながらも、「世界で起きていることについて、若い人が対話できる場が少ない」と現状について嘆き、「若い人たちが容易にコミュニケーションが取れるような対話の場を作らなければいけない」と力説します。さらに「誰ひとり置き去りにしない」という壮大な理想を掲げ、「私たち一人ひとりが課題を『自分ごと』として捉え、努力することが求められています」とも語るアミーナさんは、国連にももっと若い人や女性を招き入れ、誰も置き去りにしない努力をするべきだと語っていました。

最後に学生からの質疑応答の時間が設けられ、さまざまな質問に答えていくアミーナさん。女子高生からの質問に答えたあと「あなたは将来何になりたいですか?」と逆に質問し、「まだ決まってないんです」と答えた女子高生に「国連の事務総長なんかはどうですか?」と提案して笑いを誘ったり、大学生からの「日本では女性の衆議院議員が全体の9.5%しかいない。どうやったら女性の議員が増えると思いますか?」という質問には「若い人たちはぜひ投票に行ってください」と答え、大きな拍手が起こったりと、会場全体が一体となった空気に包まれていました。

「SDGsで世界を変える」ためには、「自分の居心地のいい場所から出る必要がある」と語るアミーナさん。彼女の言葉に大きな賛同が寄せられた、意義あるトークショーとなりました。