SDGsを楽しく伝える「よしもと SDGs LIVE」

2021年10月17日(日)、京都国際映画祭にて「よしもと SDGs LIVE 」が、開催されました。このイベントは2部構成として、第1部は今年で5回目となるSDGs-1グランプリ。人気の芸人に2030年までに達成する17の持続可能な開発目標からひとつ選び、その項目をテーマにネタを披露。「誰がいちばん笑いを交えてわかりやすく、楽しく伝えることができるか」を競います。2部は今年で2回目の開催となる『 私のおススメ!こんな事やっています。 SDGs リポートコンテスト 』。 MBS で放送中の「ゴエが行く!らいよんチャンSDGs ニュース!」(毎週月曜夜10時57分~11時)とのコラボレーション企画です。大阪・MBSちゃやまちプラザステージと東京・よしもと有楽町シアターをつなぎオンライン配信で開催されました。
2021.10.17
第1部の『SDGs-1グランプリ2021』では、おいでやすこが(おいでやす小田・こがけん)、ミキ(昴生・亜生)、ぼる塾(きりやはるか・あんり・田辺智加)、ヤンシー&マリコンヌ(松浦真也・森田まりこ)、アキナ(山名文和・秋山賢太)、祇園(木﨑太郎・櫻井健一朗)、Everybody(タクトOK!!・かわなみchoy?)ら人気芸人たちが、ネタを披露。SDGsの17の持続可能な開発目標テーマにし、いかに楽しく伝えられるかを競い合いました。MC は浅越ゴエ(ザ・プラン 9 )と福本愛菜が担当。審査員長を西川きよしが務め、昨年の優勝者・佐久間一行と国連広報センター所長・根本かおるさんがゲストで登壇しました。

まずは浅越ゴエと福本愛菜からSDGsを紹介し、福本はエコバッグ持参やゴール6「安全な水とトイレを世界中に」に紐づけて節水を心掛けていることを明かしていました。

環境省のサステナビリティ広報大使も務めている審査員長の西川きよしは、普段は奥さま・西川ヘレンから「マイバックを持つように言われている」とSDGsエピソードも披露。「小さなことからコツコツと!」と、積み重ねていく大切さを訴え、みんなで心をひとつにして2030年までにSDGsのゴールを実現していけたらと希望を語りました。

次に東京会場から国連広報センター所長・根本かおるさんは「5割を超える人がSDGsについて知っている。若い方は、7割を超えている」と、このイベント効果によってSDGsの広がりを実感しているそう。昨年度の優勝者・佐久間一行は「よしもとSDGsアンバサダー」としてSDGsをイラストで伝えたり、新しいSDGsネタを劇場でやってきたことを報告しました。そして、今回出演者が着用しているTシャツのデザインも佐久間が手がけたもの。

会場入りし、スタッフが着用しているのを見て、「自分の単独ライブかと思った」と佐久間は嬉しそうでした。Tシャツ素材はもちろんSDGsを意識したもの。東京・丸の内エリアで企業が連携して取り組んでいる「大丸有SDGs ACT5」によって不要な衣服を回収しリサイクルするプロジェクトから生まれた、環境に配慮したアイテムとなっています。
いよいよネタ披露の時間です。1組目はアキナ。お遊戯会の練習をしている息子と父の会話に「ゴール15 陸の豊かさも守ろう」のテーマでネタを披露しました。感想を求められた根本さんの「実は、親より子どもの方がSDGsについての浸透率が高かったりする」というコメントを受け、山名は取り入れたことをアピールしていました。

2組目のミキは「ゴール1 貧困をなくそう」をテーマにした漫才です。ネタ後、西川は「いつも元気だけど……」の後に「今日のネタは、SDGsで救ってあげないといけない気がしましたね」という辛辣コメント。詳しくは後日、西川本人からミキに直接お話されるそう。
3組目はEverybody。タクトOK!!のモテ願望をキッカケに「ゴール10 人や国の不平等をなくそう」を考えるネタをポップに展開。「エネルギーを感じた!」と、西川はネタの勢いを体感していました。

4組目はぼる塾。きりやが「演技にチャレンジしたい」と言い出したところから、「ゴール8 働きがいも経済成長も」がテーマのネタをはじめます。「とてもキレイでしたよ」と浅越が田辺をほめると、「まあね~」と少し照れながら受け応えていました。

5組目はヤンシー&マリコンヌで、「ゴール3 すべての人に健康と福祉を」「ゴール17 パートナーシップで目標を達成しよう」と2つ取り入れました。「ソーシャルディスタンス2m」を保つことで「ゴール3」につながると、いろんな例を紹介した中で、「池乃めだかの(身長の)1.3倍」には西川も大爆笑。「来年からのSDGsのテーマソングにしてほしいですね」と佐久間も愉快そうにコメントしました。
6組目はおいでやすこが。カバーアルバムを出したいこがけんに、「つくる責任」を意識するよう苦言を呈する小田のネタで、「ゴール12 つくる責任、つかう責任」がテーマです。根本さんは歌ネタにSDGsのスローガンの歌詞を巧みに盛り込んでいる点に着目し、「言葉で覚えるのがすごく大切」と評価していました。

7組目は祇園で、「ゴール4 質の高い教育をみんなに」がテーマ。SDGsに即した「桃太郎」を作り出します。「間に、ちょくちょく違うテーマも入っている」と、佐久間はネタの完成度の高さをほめていました。
すべてのネタを終え、視聴者投票タイムに。視聴者からの投票数と、審査員長・西川が持つ10票の総数によって優勝が決まります。集計の間、出演者がステージ前に登場。誰もが自分の優勝を信じて結果を待ちます。
結果は、審査員長の西川きよしから発表です。視聴者の全票数39%を集める高評価で、優勝は祇園に決定!今後は「よしもとSDGsアンバサダー」としての活動を行っていきます。国連からボールペン、マグネットなどグッズ詰め合わせも進呈されました。

審査を振り返って西川は「途中でEverybodyに心動きました」と、心情を正直に吐露。「笑いの中でいかに詰めていけるか」とネタを作る難しさに注目したことを語り、「競馬で言ったら第4コーナーの所で、追い込みで祇園が来た」と審査の過程を明かしました。昔話をベースにした祇園のネタは子どもたちにも伝わりやすい内容で、「国連も大喜びだろう」と評していました。

昨年度の優勝者・佐久間は「これのために作ってきたんだとわかって良かった」とイベントの盛り上がりを振り返り、根本さんは「今後、(どんな)昔話をSDGs話にしてくれるのか楽しみ」と、祇園の活動に期待を寄せ締めとなりました。
2部はMBSの番組とのコラボ
第2部は MBS で放送中の「ゴエが行く!らいよんチャンSDGs ニュース! 」とコラボした『私のおススメ!こんな事やっています。 SDGs リポートコンテスト 』。一般の小中学校、高校、大学、専門学校等に在学中の方や未就学児から『身の回りで誰でも続けられそうなSDGsの行動や、研究』をテーマに60 秒以内のリポート動画を募集。応募総数89作品の中から、ノミネート作品5本の動画が紹介され、準グランプリ、グランプリ作品を決定します。またグランプリには賞金10万円が贈られます。さらに11月1日(月)放送の「ゴエが行く!らいよんチャンSDGs ニュース!」でも放送が決定しています。
西川きよしが審査員長を務め、アキナ、ヤンシー&マリコンヌ、Everybody、ニューヨーク・嶋佐和也、ぼる塾が審査員として、1部に続き根本さんがゲストとして参加しました。

1本目は、京都先端科学大学附属高校「柿渋が環境を救う」。渋柿を活かして紙袋の強度を上げることで、ビニール袋の利用頻度を下げようというアイデアです。初っ端から高度な内容に驚く審査員一同でした。アキナ・秋山は「早く誰かに伝えたい」と、高校生たちの活動を応援していました。
2本目は、姉川莉央さん(12歳)の「エコでクリーンな毎日へ」。エコマンに扮した姉川さんによるエコ活動の解説です。審査員とういうことで「見た目は松本(人志)さん仕上げてきた」というニューヨーク・嶋佐は「文字が見えづらいところがあった」と重箱の隅をつついたようなコメントをしながらも、小学生の女の子の取り組みに感心していました。西川は「小学6年生の頃から広めてくれたら、2030年までに目標が叶う」と大いに期待を寄せていました。そんな西川に姉川さんから「どうして、そんな面白い顔を発明できたんですか?」と質問が。これには審査会場大笑い。西川も「目がBIG」を披露して応え、「これはエジソンでも発明できない」と自慢げでした。
浅越は、「なんかレベルすごいな」とポツリ。内容の濃さを感じながら、3本目の関西学院大学CAMP×US「意外とええやんマイボトル」を鑑賞します。校内や街中でマイボトルを使用する環境が整ってきていることを伝えるスタイリッシュな内容。「わかりやすい!」と絶賛したかわなみchoy?は、「めっちゃええやんマイボトル!」とFACEを決め、もっと映像の中にFACEを取り入れてほしかったと切望しました。2050年の海中は魚よりもプラスチックごみが多くなるデータを上げ、「わたしもマイボトルを持っています」と根本さんも取り組みを評価していました。
4作品目は、友宗然さん(13歳)の「然の世界を変える 漫才劇場パート②」。魚の気持ちになって大好きなお笑いを取り入れた手描きアニメーションです。「すごく研究しているのが伝わってきた」と西川は絶賛し、お笑いのネタに「やすし・きよしが入っているなんて、最高ちゃう」と顔をほころばせていました。
5作品目は、福田綾さん(17歳)の「階段はエコで良い運動!」。階段を使うことで「ゴール3 すべての人に健康と福祉を」と、エレベーターの消費電力を抑えられるとして「ゴール7エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を達成できると提案。「気軽にはじめられる」ので、おすすめしたくて作ったとのこと。ぼる塾のあんりと田辺は、「階段だけは…」と苦手意識をにじませつつ、「上るだけでSDGs2つ達成する」と知り、これからは階段を選ぶようにしたいと考えを変える努力を決意していました。これには根本さんも同意していました。

審査の合間に、浅越がSDGsにまつわるエピソードをみんなから聞き出しました。ぼる塾・田辺はマイボトルを携帯し、茶葉を水出しして楽しんでいるそう。Everybody・タクトOK!!は外国人の友だちを積極的に作っているそうで、ネタにも生かされているそう。今日披露したネタも、その成果が反映されていたとのこと。ニューヨーク・嶋佐はフードサービスのデリバリー時、割り箸などカトラリーを受け取らないように心掛けているなどといったエピソードを話しました。
ついに結果発表の時がきました。準グランプリは、姉川莉央さんの「エコでクリーンな毎日」。姉川さんはリモート画面に、こぼれんばかりの満面の笑みを浮かべ受賞の喜びを表現していました。姉川さんには、国連グッズの詰め合わせがプレゼントされます。
グランプリは、福田綾さん「階段はエコで良い運動!」が選ばれました。涙を目に浮かべながら福田さんは選ばれたうれしさを語りました。賞金の使い道を聞かれた福田さんは「大学での勉強をするためのお金に使いたい」としっかりしたコメント。そのマインドに感銘を受けた西川はすかさず「卒業したらよしもとに来て!」とスカウトする一幕も。

イベントを終え、西川は「1部も2部も中身が濃い」と充足感に満ちたコメント。「自分ができることから始めていただきたいと思います」と視聴者が少しでも生活にSDGsを取り入れていってくれることをお願いしていました。また日本でのフードロスについてを例に挙げつつ、「小さなことからコツコツと、まじめに頑張っていきたいと思います」と改めて気を引き締めていました。
イベントを終え、囲み会見を実施、西川きよし、ニューヨーク・嶋佐、祇園、国連・根本さんが登壇。本日のイベントを振り返り根本さんは、「回を重ねるごとに深くなっていく」と5回目の開催でSDGsの浸透度を体感したとのこと。西川は、はじまった頃は「スローガンをサラッと触れるぐらいだったのが、ネタの中に深く入れ込むようになってきている」と、みんなの理解度アップを感じたイベントになったと話し、「国連がやることなので、失言はあかん。笑いを取ったらあかん」とピリピリとしたモードの時期もあったという西川は回を重ねて、「自分もいろんなことを体験してきて、6人いる孫にも勉強していることを教えている」と、自らSDGsを周りに伝えていっているとのこと。「だんだん根付いてきているのがわかります」と世の中に広がっていることも実感が湧いてきているそうです。ニューヨーク・嶋佐は『SDGsリポートコンテスト』について触れ、高校生の動画作品に言及し、「自分が高校生の時との差を感じた。見習わないと」と感心しきりでした。

『SDGs-1グランプリ2021』優勝者の祇園は今後、「よしもとSDGsアンバサダー」としての活動に臨みます。SDGs関連のいろんな仕事を新たに引き受けるにあたって祇園・木﨑は「勉強していきます!」と気合十分。今日のネタ「桃太郎」は、祇園のご両親(4人中3人)が教師をなさっていることから「ゴール4 質の高い教育をみんなに」のテーマが即決したと言います。優勝後、木﨑の母親からLINEにすぐ連絡が入ったそうで「国連に関する賞に選ばれたのは、親孝行だなって思います」と優勝の喜びをコメントしていました。根本さんからSDGsバージョン「昔話」の新作を期待する声が上がっていたことに触れると、木﨑は「最新版は、(作るのに)3年ぐらいほしい!」と練り込むのに時間を要することを訴えていました。櫻井はSDGsの取り組みが高まりつつある中でテーマを「桃太郎」にうまく取り込めたネタを「良い時にできた」と満足そうでした。