吉本興業グループ
カスタマーハラスメント対策基本方針
I. 笑いと笑顔を未来へつなぐために
吉本興業は、1912年の創業以来、「笑い」を中心としたエンタテインメント活動を通じて、「誰もが、いつでも笑顔や笑い声をもてる社会」の実現を目指してまいりました。すべてのお客様からの温かいご声援や貴重なご意見は、私たちの活動の原動力、そしてサービスの品質を磨き上げるための大切な財産として、心から感謝し、真摯に受け止めております。
私たちは、吉本興業グループ(以下、「当社グループ」といいます)が提供する劇場、イベント、メディア、学校など、あらゆる場所において、すべてのお客様が安心して、心からエンタテインメントを楽しめる環境を創造し、守り続けることを最優先の使命としております。
しかしながら、お客様等の言動であって社会通念上不相当なもの(カスタマーハラスメント)は、エンタメの担い手である当社グループ又はその取引先の従業員、フリーランスその他の就業者(以下「スタッフ」といいます。)及びタレントの人格と尊厳を深く傷つけ、円滑な業務遂行を妨げることで、結果的にお客様等の「楽しみ」の機会と体験の質を損なうことに繋がります。
当社グループは、行動憲章で定める「人権の尊重」に基づき、カスタマーハラスメントに対し、お客様等の楽しみを守るため、毅然とした態度で、組織的に対応することをここに宣言いたします。
II. カスタマーハラスメントの定義
当社グループにおけるカスタマーハラスメント(カスハラ)とは、労働施策総合推進法および厚生労働省の指針に基づき、以下のように定義します。
「職場におけるお客様等の言動であって、スタッフ及びタレントが従事する業務の性質その他の事情に照らし、社会通念上許容される範囲を超えたものにより、スタッフ及びタレントの就業環境が害されるもの」
III. カスハラに該当する行為の例
お客様等からのご意見・ご要望であっても、その「言動の内容」または「手段や態様」が社会通念上許容される範囲を超えると判断される場合、カスハラとして組織的に対応します。これらは、当社グループが提供する健全なエンタテインメント体験の場を妨害する行為です。
1. 身体的な攻撃行為
- 殴る、蹴る、叩く、物を投げつけるなどの暴行・傷害行為。
- 胸ぐらを掴む、強く押す、拘束するなど、意図的な身体接触。
2. 精神的な攻撃行為
- 脅迫的な言動(「SNSで個人情報を晒すぞ」「会社に押し掛けるぞ」など)。
- 犯罪予告、虚偽の事実の流布、誹謗中傷、名誉毀損。
- 人格を否定する暴言、侮辱、罵声、大声での執拗な叱責。
- 土下座の強要など、不当に謝罪の意を強いる行為。
- 反社会的勢力との繋がりを誇示・示唆する行為。
- 言葉のすり替え、揚げ足取り、執拗な責め立て、執拗な言葉尻の捕らえ。
3. 過大な要求・不当な要求
- 合理的根拠のない金銭(慰謝料、見舞金など)の支払い要求。
- 過剰なサービス提供、優遇措置、金品等の不当な要求。
- 商品やサービスに瑕疵や過失が認められない状況での、執拗な交換・返金要求。
- スタッフ及びタレントの解雇、引退、特定の出演辞退、謝罪会見の強要など、当社グループの業務運営や人事・活動方針に関する不当な介入。
- スタッフ及びタレントの私生活や表現活動に対する、執拗かつ過激な攻撃。
4. 威圧的・拘束的な行為
- 明確な目的がない、または対応可能な範囲を超えた長時間の拘束、居座り、不退去。
- 合理的な理由なく長時間に及ぶ、電話や対面応対の継続を要求する行為。
- 劇場や会社の周辺でのデモ行為や、業務に支障をきたす抗議活動。
- 対応の担当者や責任者を指定し、指名した人物との面会を執拗に要求する行為。
5. プライバシーの侵害・差別的な言動
- スタッフ及びタレントの私生活に関するつきまとい、盗撮、待ち伏せ。
- インターネット上(SNS、掲示板等)での個人情報の特定・晒し行為、無許可での投稿・拡散。
- 人種、国籍、性別、信条、障害、性的指向・ジェンダーアイデンティティ等に基づく差別的な言動。
- セクシュアルハラスメントに該当する不適切な言動(性的な冗談、身体接触、卑猥な要求など)。
IV. カスハラへの対応施策
お客様等の要求・言動がカスハラに該当すると判断した場合、当社グループは周囲のお客様並びにスタッフ及びタレントの安全確保を最優先し、以下の原則に基づき組織全体で毅然とした対応を講じます。
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1. 組織的対応の徹底とスタッフの保護
現場スタッフ及びタレントがカスハラ事案を一人で抱え込むことはありません。事案の重大性・悪質性に応じて、法務・危機管理部門が全社横断的に連携し、会社が対応の最終責任を負います。スタッフ及びタレントの心身の安全を最優先とし、対応の継続が困難と判断した場合は速やかに応対を打ち切り、組織として引き継ぎます。2. 行為の中止要請とサービスの提供拒否
カスハラを認知した場合、直ちに当該行為を中止するよう求めます。聞き入れていただけない場合、すべてのお客様の快適なエンタテインメント体験を守るため、誠に遺憾ながら、劇場・施設からの退場をお願いするとともに、以降のチケット購入や当社グループが提供する各種サービスのご利用を、規約に基づきお断りさせていただきます。3. 証拠の保全と法的措置の適用
カスハラ事案については、客観的な記録(録音・録画・ログ等)の保全に努めます。特に悪質な行為(暴力、脅迫、業務妨害等)については、警察へ通報し、弁護士等の外部専門家と連携の上、民事および刑事の両面から厳正な法的措置を講じます。
V. カスハラ防止へ向けた取り組み
当社グループは、スタッフが安心して「笑い」を届け続けられるよう、以下の取り組みを推進します。
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教育・研修の徹底
全スタッフに対し、カスハラの定義、初期対応手順、適切な応対の打ち切り方法など、実践的な研修を定期的に実施し、組織全体の対応能力を向上させます。心身のサポート・ケア
カスハラ事案に対応したスタッフに対し、上長による適切なフォローを行います。また、必要に応じて、産業医や外部カウンセリング機関と連携し、心身両面のケアを無償で提供します。事案の検証と継続的改善
発生した事案を分析し、対応マニュアルや商品・サービスの改善に繋げることで、より多くのお客様に最高のエンタテインメント体験を提供できる体制を強化します。
VI. お客様へのお願い
私たちは、お客様との間に相互尊重の精神に基づく、健全で建設的な関係を築き続けることを心より願っております。すべてのお客様の「笑いと笑顔」の空間が守られるよう、本基本方針に記載された行為を厳にお控えくださいますよう、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
2026年4月1日 吉本興業グループ